2025年10月14日#企業法務
フランチャイズ展開を検討する本部にとって、フランチャイズと似た仕組みである「パッケージライセンス」との違いを正確に理解しておくことは不可欠です。
これは、ビジネスモデル選択により、本部が負うべき責任・リスクの範囲が大きく変わるためです。
この記事では、フランチャイズとパッケージライセンスの違いと、フランチャイズ本部が意識すべきリスク管理ポイントを解説します。
パッケージライセンスは、ノウハウやブランドの使用権のみを貸与する契約形態です。具体的には次のような特徴があります。
つまり、ブランドの貸与だけを行い、ビジネスの成否はライセンシーの責任となります。
| 比較項目 | フランチャイズ | パッケージライセンス |
|---|---|---|
| ブランド使用 | 本部指導の下で使用 | 自由度高く使用可能 |
| 経営指導義務 | あり | なし |
| 継続的サポート | あり | 原則なし |
| 本部負担リスク | 指導責任を問われる場合あり | 原則自己責任 |
| ブランド統制 | 高い | 低い |
フランチャイズでは、次の内容が本部の義務になります。違反時には契約違反や損害賠償リスクが発生します。
一方、パッケージライセンスでは、次の内容が本部の義務になるため、本部のリスクは限定的です。
つまり、パッケージライセンスは短期的リスクは小さい反面、中長期的なブランド統制に課題が生じやすいのが特徴です。
ただし、どちらを選んでも、次の点は、整備が不可欠です。
フランチャイズとパッケージライセンスの違いは、単なる「契約形態」の違いではありません。本部が負う責任・リスクの範囲が大きく変わるため、自社のブランド戦略・支援体制・リスク許容度を踏まえて、法的な視点をもって慎重に選択すべきです。
そのため、弁護士による契約書チェック・リスク診断を受けることが強く推奨されます。また、パッケージライセンスは、地方から全国へのビジネス展開にも使えるものであり、弁護士による契約書チェック・リスク診断を受けて着実に進めていくことがおすすめです。
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