2025年10月16日#企業法務
スタートアップが資金調達を成功させるためには、単に出資してもらうだけでは不十分です。
スタートアップは、適切な投資契約を締結することで、将来の経営リスクを回避する必要があります。
この記事では、スタートアップに不可欠な投資契約(株式引受契約・SHA)の基礎知識と注意点を解説します。
スタートアップに出資する際、投資家との間で締結する契約を一般に「投資契約」と呼びます。
主なものは次の2種類です。
特に株主間契約(SHA)は、投資家と創業者の間でのルール作りに極めて重要です。
| チェックポイント | 内容例 |
|---|---|
| 引受株式数・価格 | 何株をいくらで引き受けるか |
| 資金払込条件 | 支払時期、分割払などの条件 |
| 表明保証条項 | 会社の状況に関する正確な情報保証 |
| クロージング条件 | 契約成立までに満たすべき条件 |
特に表明保証条項は、後のトラブル防止に重要な役割を果たします。
| チェックポイント | 内容例 |
|---|---|
| 株式譲渡制限条項 | 株主が自由に株式売却できないよう制限 |
| 優先株の権利条項 | 配当優先・清算優先など |
| 希釈防止条項(Anti-dilution) | 将来の株式発行時に持株比率維持を保証 |
| ドラッグアロング・タグアロング | 売却時に株主全員を巻き込むor追随する権利 |
これらの規定を入れることで、次のことが可能になります。
スタートアップは、「早く資金調達したい」という焦りから、契約リスクを軽視する傾向にありますが、慎重な契約締結が中長期的成功には不可欠です。
スタートアップが投資家と良好な関係を築きつつ、自身の経営を守るためには、投資契約の理解と適切な設計が不可欠です。
投資家役の契約交渉・レビューに不安がある場合は、弁護士等の専門家に相談することが重要です。
投資契約サポートに関するご相談はお気軽にどうぞ。