2025年10月21日#企業法務
フランチャイズ展開における本部と加盟店が締結するフランチャイズ契約書は、いわば、本部と加盟店との「ルールブック」です。
そのため、しっかりとしたフランチャイズ契約の内容を設計しなければ、後に重大なトラブルや経営リスクを引き起こす可能性があります。
本記事では、弁護士の立場から、フランチャイズ契約書において必ず盛り込むべき重要な条項と、注意すべきポイントを詳しく解説します。
フランチャイズ契約書は、本部と加盟店の双方が円滑な関係を維持し、ブランド価値を守るための最重要ドキュメントです。
例えば、契約内容が不明確だった場合、
など、フランチャイズ展開や経営に致命的な影響を及ぼすことも珍しくありません。
では、このようなフランチャイズ展開におけるトラブルを防止するためには、実際にどの条項を重点的に整備すべきでしょうか。
フランチャイズ契約書に盛り込むべき最重要条項は、次の5つです。
以下、具体的に見ていきます。
フランチャイズでは、本部が定める商標(ブランド名・ロゴマーク等)を使用することが前提になります。
そのため、
を明確にしておく必要があります。
加盟店が独自に改変したロゴを使った場合、ブランド価値が毀損するリスクがあるため、事前承認制を設ける。
加盟店が独占的に営業できる地域(テリトリー)を設定するか否かは、加盟者にとって大きな関心事です。
そのため、テリトリーを設定する場合には、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
「半径3km以内には新規加盟店を出さない」と明記することで、加盟店の安心感を高めるといった方法もあります。
契約期間をどのくらいに設定するか、また契約の更新の条件を定めることも重要です。通常は、フランチャイズの加盟時における投下資本の回収を加味して、3~5年に設定するケースが多いですが、フランチャイズの内容によって変えるのが最適です。
適切な期間設定と、更新手続きの明確化が後のトラブル防止につながります。
加盟契約が終了した後、元加盟店オーナーがすぐ近隣で競合店を開業してしまうと、本部にとって大きな打撃です。
そのため、以下の点を明示することが重要です。
を明示することが重要です。
ただし、競業禁止による過度な制限は、無効とされるリスクもあります。
そのため、競業禁止の期間・地域・違約金を適正範囲に留める必要があります。
フランチャイズに加盟するにあたり、加盟店から見れば、本部による「教育・支援」が契約の魅力の一つです。
しかし、本部による教育・支援内容を曖昧に記載すると、加盟店から「思っていたより支援が少ない」とクレームを受ける原因になります。
そこで、フランチャイズ契約においては、以下のような対応例を定める方法もあります。
フランチャイズ契約書上、教育・支援の範囲を明確に制限しておくことが本部の防衛策になります。
フランチャイズは、内容によってビジネスモデルも大きく異なるため、テンプレートを流用しただけでは、自社モデルに合致した契約書にはなりません。
特に、契約期間やフランチャイズ契約終了後の競業避止義務は、無効のリスクを回避するために、各フランチャイズの内容に応じて最適な定めにする必要があります。
この点、弁護士に相談することで、
という大きなメリットがあります。
フランチャイズ契約書は、フランチャイズ展開成功の「土台」です。これは地方発のフランチャイズでも変わりません。
万全な契約設計によって、安心してビジネスを拡大していきましょう。
当事務所では、フランチャイズ契約書の作成・レビューを数多く手がけています。 まずはお気軽にご相談ください。