フランチャイズ本部が押さえるべき加盟金とロイヤルティの違いと注意点

フランチャイズに加盟する場合、加盟店はフランチャイズ本部に「加盟金」や「ロイヤルティ」といった費用を支払います。これらは単なる「お金」ではなく、フランチャイズにおけるビジネス成功に直結する重要な役割を担っています。
この記事では、フランチャイズのおける加盟金・ロイヤルティの意味や注意点をわかりやすく解説します。

1. 加盟金とロイヤルティの違い

(1) 加盟金とは?

ア. 加盟金の性質

加盟金とは、フランチャイズ契約を締結する際に一括で支払う初期費用です。

【加盟金に含まれることが多いもの】

  • ブランド使用権の付与
  • ノウハウ提供・マニュアル提供
  • 開業支援(研修、立ち上げサポート)
  • 初期販促ツールの支給

つまり、加盟金は「これからビジネスを始めるための権利+初期支援への対価」と考えるとよいでしょう。

イ. 注意点
  • 加盟金の支払い時期・金額を明記する
  • 加盟金を返金する場合には、その条件をフランチャイズ契約書に明確に記載

(2) ロイヤルティとは?

ア. ロイヤルティの性質

ロイヤルティとは、加盟店がフランチャイズ本部に対して定期的に支払う報酬です。
これは、加盟店がフランチャイズ本部のブランドを継続的に利用し、フランチャイズ本部から加盟店へのサポートの対価となります。

イ. ロイヤルティの形態例
  • 売上歩合型(例:月売上の5%)
  • 固定金額型(例:毎月10万円)
  • ミックス型(固定+歩合)

ロイヤルティ収入は、本部運営費(SV派遣、広告宣伝活動など)にも充てられます。

比較項目 加盟金 ロイヤルティ
支払時期 契約締結時に一括支払い 継続的に定期支払い
対価 権利付与+初期支援 ブランド使用+継続支援
対価 権利付与+初期支援 ブランド使用+継続支援
支払い形態 一時金 売上歩合型/固定型/ミックス型

2. 金額設定の考え方とトラブル例

(1) 金額設定の視点

フランチャイズ本部側は、加盟店の収益性を十分考慮した上で、無理のないロイヤルティ設定を行う必要があります。

(2) トラブル例

  • 売上減少によりロイヤルティ負担が重くなり、加盟店経営が悪化
  • ロイヤルティの算定方法が曖昧で、フランチャイズ本部と加盟店でトラブル発生

契約書段階で、金額・算定方法・支払条件を明確に定めることが非常に重要です。

3. まとめ 利益に直結する加盟金・ロイヤルティを正しく理解しよう

加盟金・ロイヤルティは、フランチャイズにおけるビジネス成功に直結する重要な役割を担っています。また、地方へのフランチャイズ展開や地方発のフランチャイズの場合、地域の実情などを考慮する必要が生じることもあります。

当事務所では、フランチャイズ契約書の作成・レビューにとどまらず、加盟金・ロイヤルティ設計のサポートも数多く手がけています。

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